図1:電気めっきの基本原理
陰極では還元反応が起こります。電解液中の金属イオンMn+が電子eを受け取り、金属Mn-として表面に析出し、これがめっき膜になります。
陽極では酸化反応が起こります。電極の成分である金属がめっき液中に溶解して、めっき液中の金属イオンが補給されます。また、陽極にはめっき液に溶解しない金属が使用されることもあります。この場合、めっきしたい金属イオンを含む化学薬品を加えることで、めっき液中に金属イオンを補給します。
電気めっきにおける電極の役割は、安定して通電することです。電極に近い箇所には電流が多く流れるため、めっき速度が速くなります。一方、遠い箇所のめっき速度は極端に遅くなります。また、筒状製品の内面にはめっきができません。その場合は、補助電極を付加するなど工夫が必要です。
電解液はめっきしたい金属イオンを含む金属塩溶液で、必要に応じて添加剤を利用します。例えば、めっき膜に光沢を得るには光沢剤を、ピット発生を抑制して緻密な皮膜を得るには界面活性剤を添加します。