岐阜精器工業株式会社

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真鍮の精密プレス加工・深絞り加工

銅と亜鉛をあわせて作った合金を指す真鍮は、黄色い見た目とさまざまな性質を持ち合わせていることが特徴です。幅広い性質を持つことからアクセサリーや日用品、最先端産業など多くのシーンで活躍しています。また、有名なものでは5円玉の原料が真鍮です。今回は真鍮の特徴とともに、真鍮の精密プレス加工・深絞り加工について説明します。

 

真鍮の特徴

 

真鍮のメリット

真鍮のメリットは、優れた加工性と耐食性、電気伝導性・比較的高い強度・価格が安価な点です。

加工においては、熱間鍛造性・展延性・転造性・切削加工性に優れており、めっきやはんだ付けがしやすい特徴もあります。高い電気伝導性があるので、端子コネクターのような電気製品の部品として使われることも多くあります。

また、真鍮は空気中で徐々に表面が酸化し黒ずんでいくものの、酸化皮膜となって内部を保護するため、全体が腐食するのを防止します。

 

真鍮のデメリット

真鍮は、応力腐食割れの一種とされる「置割れ」が発生する場合があります。置割れは、機械加工などを施した真鍮が、日時の経過により、大気中の水分や二酸化炭素などが結晶粒界に腐食を引き起こし、粒界腐食を起こす現象を指します。置割れを回避するには、めっきや塗装を施したり、焼きなましで内部応力を除去するのが有効です。

また、ラテックスなどのゴム類に接触すると、ゴムが分解腐食してしまうデメリットもあります。

 

​​真鍮加工の特徴

真鍮は熱間鍛造性や展延性に優れ、切削性が高く加工しやすい材料です。その優れた加工特性と欠点について説明します。

 

真鍮の加工特性

真鍮は展延性に優れているため、さまざまな形に加工できるのが大きな特徴です。変形させても材料が破断せず、柔軟に形を変えてくれるので複雑な形でも作れます。真鍮は圧力をかけて薄いシート状にしたり、引き延ばして加工したりしても破断しにくい材料です。

また、真鍮は熱間鍛造性にも優れています。熱間鍛造加工とは材料を再結晶温度以上に熱して柔らかくし、プレス機などの圧力によって加工する方法です。真鍮は熱間鍛造性に優れているため、加熱によってさまざまな形を作れます。熱間鍛造性に優れている点を活かし、ガスコンロのバーナーヘッドなど複雑な形状も作れるのが魅力です。

鉛やビスマスが含まれている真鍮は被削性が高く、切削加工にも向いています。被削性とは切削加工の際の削りやすさを指し、被削性に優れた真鍮を使えばボルトやナットなどの精密部品も作れます。
さらに、真鍮には殺菌作用があるのも特徴で、少しの量でも十分な殺菌作用があります。電気伝導率が高いのも特徴の1つで、コンセントなどの接続機器にも多く用いられている材料です。

 

真鍮の欠点

真鍮にはさまざまな加工特性がある一方で実は欠点もあります。真鍮は酸化しやすく、空気に触れると表面が徐々に黒ずみ、酸化銅と呼ばれる被膜を作ります。クリアコートやめっき加工などの表面加工をしていれば問題ありませんが、そのままの状態で放置するとすぐに黒くなったり錆びたりしてしまうのが難点です。

また、亜鉛と銅の合金である真鍮は水気にも弱く、汗など少量の湿気でも変色や錆びが進行してしまいます。表面加工が施されている場合でも、経年劣化によって黒ずみや錆びが発生する可能性もあります。
真鍮はゴム製品との相性が悪いのも欠点の1つで、ラテックスや生ゴムと一緒にすると真鍮の成分がゴムを分解して腐食させてしまう可能性が高いです。

 

真鍮/黄銅の絞り加工

 

岐阜精器工業では真鍮の絞り加工を得意としています。

弊社の絞り加工と真鍮の特徴を交えて解説させていただきます。

 

■絞り加工とは

絞り加工とはプレス加工のひとつで、一枚の金属の板をプレス機にセッティングした金型にて絞り込み(圧縮し)凹状に加工し、繋目の無い容器形状に成形する技術です。円筒絞り、角絞り、異型絞りなど金型仕様を変えれば様々な形状を作り出すことができます。絞り加工はプレス加工の種類の中で最も金型の設計が難しいと言われています。

また金型・機械・加工条件などのバランスがうまくかみ合ってこそ、シワやひずみ・割れの無い絞り加工を実現する事が出来ます。

当社は真鍮・黄銅の絞り加工を非常に得意としています。

絞り加工に関してはこちらをクリック → 『絞り加工について』

 

■真鍮/黄銅の種類・特性

真鍮は、銅に対して亜鉛をどの程度加えるかによって、ベースとなる素材の色を変えられたり、硬度を調節したりすることが可能です。
その特性から、様々な工業用製品や建築資材などに活用されています。
また、真鍮では亜鉛含有率が高くなるほど素材硬度が強化されていく反面、素材の脆弱性が増していくので、
亜鉛が45%以上になると実用に耐えられなくなることも重要なポイントです。

また真鍮は素地の状態で、アンモニアや塩分が多い場所に放置していると割れてしまう「置き割れ」という現象が発生するのもポイント。
そのため、メッキ処理や塗装したり、焼きなましをおこなったりなど適切な加工が不可欠になります。

 

■真鍮/黄銅の絞りについて

絞り加工とは2つの金型でシート状の材料を挟み、凹凸のある形に仕上げる加工方法です。円柱や円錐、角筒などの形状を作るのに適しています。真鍮の絞り加工では、真鍮を薄いシート状に伸ばしてから金型で成形します。展延性に優れている真鍮は絞り加工にも向いており、加工性の高さからさまざまな部品に用いられているのが特徴です。また、真鍮は硬度が低く、とても柔らかい材料なので絞り加工を行う際にはクラック、割れなどを考慮して金型設計を行う必要があります。真鍮は伸びもあり、絞りやすい材料で、表面加工もしやすく、コネクタ部品や釣具など多くの製品に活用されています。しかし、加工硬化が激しいのが特徴です。絞り回数が多い製品は途中工程にて焼きなましをいれることもあるため、真鍮の特性を考えて金型設計、工程調整を行うことが重要です。また、真鍮の絞り加工をする際は表面加工が重要なポイントとなり、加工をしなければ酸化して黒ずんだり錆びたりするので注意が必要です。

 

■真鍮/黄銅へのメッキ処理

 

真鍮、黄銅は空気中にて酸化してしまいますので、耐食性に優れている材料ではございません。そのため加工後に表面処理を施すのが最適とされています。弊社では真鍮、黄銅への以下の表面処理に対応しております。

 

めっき ニッケルメッキ、クロム鍍金、スズ鍍金、亜鉛メッキ、金メッキ
その他 バフ研磨、ヘアーライン加工、熱処理、接着、ロウ付け

 

真鍮の深絞り加工事例

 

真鍮加工事例1 ハクキンカイロ火口  加工内容
材料 C2680 T=0.3㎜

金型 順送プレス+単発プレスにて対応

処理 ニッケルメッキ

 

 

真鍮・黄銅加工事例2 ハクキンカイロケース  加工内容
材料 C2680 T=0.3㎜

金型 単発プレスにて対応

処理 バフ研磨+カラーアルマイト

 

 

真鍮の精密プレス加工

 

精密プレス加工とは?

精密プレス加工とは、プレス加工の中でもより精密な加工方法を指します。通常のプレス加工よりも難易度の高い製品を作るのが大きな特徴で、加工に使う金型も、より高精度なものが必要になります。真鍮は薄く伸ばしてシート状に加工しやすい材料のため、プレス加工に向いている材料の1つです。

 

プレス加工と精密プレス加工の違い

プレス加工と精密プレス加工は、実は基本の加工方法は同じです。プレス加工とは金型と金型を組み合わせて金属を打ち抜くような加工方法で、型抜きクッキーや穴あけパンチのようなイメージとなります。金型には鋼材などを使うのが一般的です。

精密プレス加工で使われている金型は、SKD・タングステン・グラファイト・セラミック・モリブデン・クロムなどさまざまな特殊材料を使っているのが特徴です。プレス加工よりも精度の高い金型を作るため、時間をかけて設計してから多くの材料を用いて製造しています。

 

真鍮プレス加工の製作実績

 

真鍮加工事例1 半導体装置  加工内容
材料 C2680

プレス加工、単発型

 

 

真鍮加工事例2 リングプレート  加工内容
材料 真鍮

プレス加工、単発型

 

このように岐阜精器では、真鍮の深絞り加工も得意としています。試作から量産まで、自社で設計開発したプレス金型での加工が可能です。焼きなまし等の熱処理からメッキ処理まで対応し、高品質な製品をお届けいたします。

真鍮の絞り加工をご検討なら、ぜひ一度岐阜精器までご相談ください。

 

岐阜精器工業の金型について

 

 

岐阜精器工業は1970年創業以来、量産品・小量品・試作品等、多岐多様な精密プレス加工の会社として豊富な実績を積み重ねて参りました。50年間プレス加工、金型設計で蓄積されたノウハウ&技術を活かして精度の高い金型&高品質&高い生産性を生み出す金型の設計製作を常日頃から心がけております。費用対効果および製品形状による加工の難易度などを考慮し、製品製作において順送型、トランスファー型、単発型のうちどの金型が適しているのか検討・提案いたします。金型製作から試作・量産までお気軽にご相談ください。

 

精密順送型&トランスファー型製作・販売

 

金型設計から製作・組立・メンテナンスに至るまで金型に関するすべてを一括でお受けいたします。 いくつものの金型製作の実績で蓄積した技術により、精度のよい金型を、いち早く納品することができます。

 

・トランスファープレス、順送型プレスとも対応可能です。
・他社ではできない“ためし打ち”も可能です。

 


 

金属加工なら岐阜精器工業。創業50年の実績と豊富な経験により高精度でスピーディーに対応!1970年の創業から金属プレス加工、金型設計・製作、部品加工を行う企業です。長年培った技術を活かした『提案力』を武器にお客様の製品開発をサポートさせていただいております。

 

 

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