岐阜精器工業株式会社

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深絞り加工の製作事例

 

岐阜精器工業の深絞り加工技術について

 

 

弊社の得意技術は「精密絞り加工」です。絞り加工はプレス加工の種類の中で最も金型の設計が難しいと言われていますが、特に弊社は長年小型モータケースを製作してきた実績があり、金型設計技術は順送型、トランスファー型共に絞り加工のための知識、技、ノウハウが蓄積されております。現在では円筒型を始め小判型、角絞りなどの異型状の絞り加工製品を多く手掛けております。また金型・機械・加工条件などのバランスがうまくかみ合ってこそ、シワやひずみ・割れの無い絞り加工を実現する事が出来ます。 絞り加工は金型設計開発能力+加工経験値がモノを言います。これまでの弊社の製作実績を紹介します。

 

①真鍮の深絞り加工

②SUSの深絞り加工

③アルミの深絞り加工

④SPC材(冷間圧延鋼板)の深絞り加工

⑤チタン

 

真鍮の絞り加工

絞り加工とは2つの金型でシート状の材料を挟み、凹凸のある形に仕上げる加工方法です。円柱や円錐、角筒などの形状を作るのに適しています。真鍮の絞り加工では、真鍮を薄いシート状に伸ばしてから金型で成形します。真鍮は展延性に優れているため、絞り加工にも向いており、加工性の高さからさまざまな部品に用いられているのが特徴です。表面加工もしやすく、コネクタ部品や釣具など多くの製品に活用されています。真鍮の絞り加工をする際は表面加工が重要なポイントとなり、加工をしなければ酸化して黒ずんだり錆びたりするので注意が必要です。

 

​​真鍮加工の特徴

真鍮は熱間鍛造性や展延性に優れ、切削性が高く加工しやすい材料です。その優れた加工特性と欠点について、以下で詳しく解説します。

 

真鍮の加工特性

真鍮は展延性に優れているため、さまざまな形に加工できるのが大きな特徴です。変形させても材料が破断せず、柔軟に形を変えてくれるので複雑な形でも作れます。真鍮は圧力をかけて薄いシート状にしたり、引き延ばして加工したりしても破断しにくい材料です。また、真鍮は熱間鍛造性にも優れています。熱間鍛造加工とは材料を再結晶温度以上に熱して柔らかくし、プレス機などの圧力によって加工する方法です。真鍮は熱間鍛造性に優れているため、加熱によってさまざまな形を作れます。熱間鍛造性に優れている点を活かし、ガスコンロのバーナーヘッドなど複雑な形状も作れるのが魅力です。鉛やビスマスが含まれている真鍮は被削性が高く、切削加工にも向いています。被削性とは切削加工の際の削りやすさを指し、被削性に優れた真鍮を使えばボルトやナットなどの精密部品も作れます。さらに、真鍮には殺菌作用があるのも特徴で、少しの量でも十分な殺菌作用があります。電気伝導率が高いのも特徴の1つで、コンセントなどの接続機器にも多く用いられている材料です。

 

真鍮の欠点

真鍮にはさまざまな加工特性がある一方で実は欠点もあります。真鍮は酸化しやすく、空気に触れると表面が徐々に黒ずみ、酸化銅と呼ばれる被膜を作ります。クリアコートやめっき加工などの表面加工をしていれば問題ありませんが、そのままの状態で放置するとすぐに黒くなったり錆びたりしてしまうのが難点です。また、亜鉛と銅の合金である真鍮は水気にも弱く、汗など少量の湿気でも変色や錆びが進行してしまいます。表面加工が施されている場合でも、経年劣化によって黒ずみや錆びが発生する可能性もあります。真鍮はゴム製品との相性が悪いのも欠点の1つで、ラテックスや生ゴムと一緒にすると真鍮の成分がゴムを分解して腐食させてしまう可能性が高いです。

 

真鍮絞り加工の製作実績

真鍮絞り加工について、これまでの弊社の製作実績を紹介します。

 

材料名 C1220 りん脱酸銅
加工方法 深絞り加工
特徴 りん脱酸銅を深絞り加工にて円柱状にした製品です。りん脱酸銅とは絞り加工性が高く熱伝導性の良い材料で、純度99.9%以上の銅を指します。また、リンなどの脱酸剤を添加して酸素を除去した無酸素銅を指します。展延性に優れている銅は絞り加工に向いており、精度の高い製品が作れます。

 

 

材料名 真鍮
加工方法 深絞り加工・順送プレス加工
特徴  

懐炉用火口

 

 

②ステンレスの絞り加工

弊社は温度センサ、USBコネクタ、携帯ヒンジなどの高精度が要求されるSUS部品を順送プレスにて製作して納入しております。

 

SUS絞り加工の製作実績

 

 

材料名

SUS304T=0.3

加工方法 深絞り加工
特徴  

温度センサ部品

 

 

 

材料名

SUS304

加工方法 深絞り加工
特徴  

水道関連部品

 

 

 

 

 

 

 

 

 

材料名

SUS316L

加工方法 深絞り加工
特徴  

USBコネクタ部品

順送型

 

 

③アルミ

軽くて丈夫なアルミニウムは、アルミ缶やアルミホイルなど、身近なものにも多く使用されている素材です。様々加工方法のなかでも、絞り加工はたくさんの製品に使われている加工方法の1つです。

 

アルミの絞り加工について

アルミニウムの絞り加工は変形しやすい性質を活かした加工方法で、つなぎ目のない仕上がりになります。主な例としてはアルミ缶が挙げられ、筒状の製品を作るのに適した加工方法の1つです。絞り加工は1枚の金属板をパンチと呼ばれる金型で押し、凹の形に成形します。アルミニウムの絞り加工では角にRを付け、加工の際に破断しないよう注意が必要です。また、絞り加工には深絞り加工やへら絞り加工などさまざまな種類があります。

アルミニウムの絞り加工の製作実績

 

釣具部品2

 

材料名 アルミ
加工方法 深絞り加工・順送プログレ型
特徴 釣具部品の製作。

内部は潰し工程を入れてプレスで加工を行い、加工後は金色のアルマイトカラーを施して納入しました。

 

 

蛍光灯口金

 

材料名 A1050
加工方法 深絞り加工+インサート成形
特徴 蛍光灯口金、内部は潰し工程を入れてプレスで加工を行い、加工後は金色のアルマイトカラーを施して納入しました。

 

④SPC材の深絞り加工について

 

​​SPC材について

SPCは「Steel Plate Cold」の略で、冷間圧延鋼板を意味します。冷間圧延鋼板とは、鋼板に金属のローラーで押し潰しながら伸ばす圧延(あつえん)と呼ばれる工程を施したものです。特に曲げ加工に適した材料で、炭素量が少なく柔らかい特性を持っています。
0.4~3.2mm程度の薄い板材として使われることが多いのも特徴です。薄くて柔らかい素材のため、伸びやすく加工が容易に行えます。曲げ加工やプレス加工などを施してから使う場合が多く、洗濯機や冷蔵庫などの家電にも使用されています。また、常温で圧延するため表面が滑らかで美しく、削らずにそのまま使用できるのも特徴の1つです。

 

SPC材の特徴
メリット ・高い加工性と成形性
・加工しやすい
・表面仕上げの美しさ
・板厚精度が高い
・他ステンレス材より安価でコストが抑えられる
デメリット ・酸化しやすい
・加工後の表面処理が必須

SPC材のデメリット

SPC材は柔らかく加工がしやすいものの、強度がやや低いのがデメリットです。強い力がかかってしまうような場所の材料には使えないので使用場所の見極めが重要になります。表面に皮膜がないため錆びやすいのもデメリットですが、表面加工を施せば問題はありません。

 

SPC材深絞り加工の製作実績

SPC材の特性や種類が分かったところで、次は弊社の製作実績を紹介します。また、それぞれの深絞り加工の特徴も詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

材料名

SECD 板厚1.0mm

加工方法 深絞り加工
特徴 自動車部品

サイド切り欠きと呼ばれる加工法を使っており、サイド部分を切り抜いています。切り欠き加工は金型などを使用して材料の一部を欠損させ、形を作る技法です。

 

材料名

板厚1.0mm SPCD

加工方法 深絞り加工 フランジ
特徴 自動車部品

絞り加工で円柱型を作ってからフランジと呼ばれる「つば」を形成しています。強度をアップさせるためにフランジを形成しているのが特徴です。

 

⑤チタンの深絞り加工

純チタン板は、深絞り成形にとって基本的に有利な材料とも言えます。純チタン板のプレス成形では深絞りの要素を多く取り入れることがブレス成形を成功させる重要なポイントです。弊社は独自の加工技術、金型設計および部品コーティング処理を行い、チタンの深絞り加工を実現しています。

 

チタン・深絞り加工 美顔器のヘッド

 

深絞り加工の特徴

 

①加工の工程数を減らせる

溶接や切削などの加工をせずに、ニーズに合わせた加工が可能なため、加工の工程数を減らすことができます。そのため、コスト削減と時間短縮が実現できます。

②大量生産が可能

プレス機械での加工の為、大量生産に非常に向いています。しかし、そのためには入念な金型作成と細かい計算が必要となります。

③素材の負担が少ない

板金一枚で加工するため。製品のひずみやシワ、傷のない加工をすることが可能です。溶接や切削加工なども行わず、素材に与えるダメージが非常に少ない為、製品が丈夫に仕上がります。

④加工硬化が期待できる

深絞り加工は、素材の箇所によって変形量が大きい加工です。そのため、製品の加工硬化が期待できます。材料が薄板でも丈夫な製品に仕上げることが可能です。薄板の硬度を上げることができるため、製品全体の重量が減り、結果的に製品の軽量化にも繋がります。

 


 

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