材料名 ステンレス
加工方法 マシニング加工
詳細 中国深センの工場にて製作。材料調達から製作、表面処理まで一括で対応。中国にてローコストで製作することができ、表面処理まで全て一括で対応ができたので大幅にコストダウンすることができました。納入は約10日。

 

 

ステンレスの切削性

 

 

ステンレスは金属の中でも切削が難しいと言われています。ステンレスの特性である熱の伝わりにくさや、粘り強さが大きく影響しているためです。ステンレスの場合、他の金属と同様に切削するとステンレスが脆くなったり工具が破損する恐れもあります。その為、使用する工具や切削条件を適切にし、熱を逃すことが大切です。

 

 

切削が難しい理由

ステンレスはさびにくい、硬いなどの特徴を持つ金属ですが、切削しにくい材料でもあります。「熱伝導率が悪い、粘性が高い、加工硬化してしまう」という点が切削しにくい理由になります。ステンレスは熱伝導率が悪いので、切削加工をすると工具の先端部分に熱が溜まりやすくなってしまいます。その結果、工具の先端部分の破損や材料であるステンレスが熱の影響を受けやすいです。熱による悪影響を小さくしようとすると、熱がこもらないように遅い速度で加工する、切削油を大量に使用するなどの工夫が必要です。そしてステンレスは鉄などの金属と比較すると粘性が高く加工硬化しやすい特徴を持っています。そのため長時間にわたり切削を続けると、材料のステンレスが硬くなってしまい削りにくくなり、工具が破損しやすくなるなどの可能性があります。

 

ステンレスの種類ごとの切削性

 

ステンレスには様々な種類があり、成分や金属構造によってそれぞれ分類されています。種類ごとに切削性は異なるので、加工の内容や使用先によって種類を使い分けるのが良いでしょう。切削性に関しては、被削性指数という数値で表せます。被削性指数が大きければ大きいほど加工しやすく、小さければ小さいほど加工しにくい材料と判断可能です。

 

鋼種 被削性指数
オーステナイト系 SUS302 30
SUS303(快削性) 60
SUS304 35
SUS304L 40
SUS309S 40
SUS310S 40
SUS316 45
SUS317 45
SUS321 45
SUS347 40
マルテンサイト系

(未硬化処理)

SUS403 50
SUS410 50
SUS416(快削性) 65
SUS420 45
SUS420F(快削性) 55
SUS431 50
SUS440A,B,B 40
SUS440F(快削性) 60
フェライト系 SUS405 55
SUS430 50
SUS430F(快削性) 80
SUH446 55

引用:ステンレス (現場で生かす金属材料シリーズ)/丸善出版

 

 

快削ステンレス

ステンレスの種類の中には切削加工がしやすいという特徴をもった「快削ステンレス」があります。快削ステンレスは成分の一部に快削成分を含むことによって、削りやすくしています。例えば快削ステンレスのひとつであるSUS303は、SUS304と比較して約2倍近く被削性指数が高いです。SUS303は快削成分であるモリブデン(Mo)を含むことに よって削りやすくしています。切削加工がしやすくメリットが注目されがちな快削ステンレスですが、以下のデメリットもあります。

 

  • 有害不純物である硫黄(S)を0.3%含む快削ステンレスもある
  • 硫黄(S)以外でも快削成分が含まれることによってさびやすくなり脆くなる
  • 複合材料によって異方性が高まるので性質が劣化する場合がある

 

 

 

 

岐阜精器工業

 

 

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